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EF&SL奥利根
2006年9月のある日、実家で時刻表をつらつら見ていたら(ウチには時刻表を常備していないので実家でみつけたときには情報収集のため一通り眺めることが習慣になっています^^;)11月にEL&SL奥利根号が走ることを発見。このところの客レ乗車ですっかり客レの良さを再認識してしまっていたし、一度はこのD51牽引列車にも乗りたいとも思っていたので10月に早速キップを取りました。

じつはキップを買う前には電機区間はロクイチが入るという噂を聞いて(見て?)いたので下りも上りも乗ることにました。というのも8月の「EF58奥利根号」のときのように早起きをサボって帰路の上りだけの乗車にすると、今回はロクイチ牽引が高崎夕方5時半以降だけになってしまいすっかり日の入り後となりせっかくのロクイチが撮れなくなってしまうので。

さて当日上野に行くと地平ホームからの出発。雰囲気はかなり変わっていても地平ホームにはかつての北の玄関口、特急王国の面影があります。やがて12系が推進運転で入線。これぞ上野発の客車列車ですね。牽引機は期待通りロクイチ。


行きは6号車…ということはキハフ…じゃなくてスハフだけど機関車の次位です。

というわけでこんな情景を見ながらの旅ができゴハチファンとしては最高の贅沢です。


上野の地平ホームは雰囲気では最高だったのですが撮影という意味では厳しい条件だったので大宮の2分停車で再挑戦。ホームに降りたときは大宮乗車でロクイチを待ちかまえていた人たちの人垣で一瞬ひるみましたが果敢にロクイチの前に。発見時間が迫るにつれ人も減ってなんとか撮影。


そのとき気付いたのですがこれなら1分停車でも頑張れば撮れるんじゃないかと思い深谷と本庄でトライしました。


さすがに落ち着いては撮れませんが群がる人がいないロクイチの駅停車といういまや貴重情景が撮れました。乗っている以上走行写真は無理なので人だかりのない駅撮りは妥協点としては上々だったかなと思います。

機関車次位の6号車だけあって時折ならしてくれるロクイチの汽笛はライブ感たっぷりに聞こえてきます。聞こえてくる音はスハフのディーゼルの音が支配的とはいえ、ノッチが入ったときには常に一定のディーゼル音の中からロクイチのMT42Fの音が微かにでも聞き分けることができ悦に入りました。

さて乗車していると走行写真は撮れないということから、発想を変えて乗車ならではの「走り」の写真を何枚か試してみましたがいかがでしょう。



まあロクイチ牽引列車乗車記念といった程度ですね。こういう写真が撮れる機会もそうは多くないので良い記念にはなりました。

さて高崎につくと機関車の交換です。ホームはD51目当ての人でいっばいでした。あのホームに降りる勇気(?)はなくスハフの貫通扉にとどまって情景を見守りました。

解結されて離れていくロクイチ。帰路の高崎までしばしのお別れです。

一旦客車から離れていったあと運転所に引き上げていくと客車のすぐわきを通っていってくれました。


いよいよ大多数の人たちにとってのお目当てD51の登場です。
高崎では人でごった返すホームに降りるのは諦めて素直に席で発車をまちます。腹に響く汽笛一声で出発です。市民権を得ている蒸機の復活運転だけあって近隣に配慮してか汽笛を省略されている電機の出発とは違い遠慮がなくて気持ちよいですね。

程なく新前橋に到着。ここでは若干の停車時間があります。客車を牽引し本線走行を行った後の最終チェック行っているようでした。停車時間を利用し、ホームに降りここで初めてD51498とご対面。自分にとっては「ロクイチのほうが重要かな」と醒めていましたが、いざ実機を目の当たりにするとやはり感動ものですね。10月に全検から上がってきただけにピカピカです。全検後の試運転で若干問題が出て、この奥利根号の運転も一瞬危ぶまれたようですが、当日までには問題は解決したらしいです。

新前橋を発車すると、次は20分以上の長時間停車を行う渋川。この渋川では停車時間が長いこともあって、高崎同様たくさんの人たちがホームに降りてきます。こどもをキャブに乗せて写真を撮らせてくれるサービスもあり、長蛇の列ができていました。ここでは、機関車の写真を撮るのは難しいです。素直に大盛況のSL運転の雰囲気を楽しみました。

平成18年10月の全検。製造から実に66年目(!)の全検です

渋川を出て秋の上越線をD51498は快調に走り続けます。客車に乗ってて感じることは、揺れる!縦(前後)にも横(左右)にも揺れます。シリンダーの動き、ロッドの動き…蒸気機関車のダイナミックな動きがそのまま客車に伝わってきます。連結面を見に行くと、連結器は激しく首を振っています。

ロクイチに牽かれていたときと本当に同じ客車かと思うぐらい揺れます。電機と蒸機の牽引を体感できるこの運用方法は実に貴重ですね。昭和31年以前の「つばめ」「はと」の東京大阪間乗車の疑似体験ができますね。きっとゴハチに牽かれていた電化区間からC62に牽かれる非電化区間の間でこんな対比があったのではないでしょうか。また機関車に近いほうが機関車の振動をよりダイレクトに受けているように感じましたので、かつてのつばめが機関車に近い方からから荷物合造三等車、三等車、ニ等車、一等展望車の順になっていたのもなんとなく納得です。

当日は、磐越西線でDD53牽引のばんえつ号という非常にレアな列車が走っていたこともありコアな人たちはそっちに行っていたためか、沿線で写真を撮る人たちも殺気立っていないようで、のんびりした感じでした。また農作業をする手を休めて、機関車の通過に目を向ける農家の人を見たときには、自分が見たこともないはずの昭和30年代の情景を目にしたような錯覚に陥ります。道路に平行する区間では、ガソリンスタンドのお店の人たちが並んで立って手を振ってくれていました。高崎までは曇りがちだった天気も良くなってきて、とてもよい雰囲気の中を走っているように感じました。

沼田停車。ここも若干時間があったので、撮影に降りました。渋川のようにごった返していないので、落ち着いて撮影。

沼田を過ぎると、各駅停車です。
このD51498にとっては縁の駅、後閑に到着。停車時間は1分と短めなので、ここで降りて撮る人は、チャレンジャー数名だけ。ホームに誰もいないに後閑駅に佇むD51498が撮れました。

上牧は、ちょっと無理そうなのでパス。運行に支障が出ないよう、正確に合わせた時計を持っていることと、それに照らし合わせダイヤが遅れ気味になっているときは無理して撮らないという判断が必要ですね。あとからわかったのですが奥利根号のすぐ後ろを普通電車が走っているので、最後一駅を残し、上牧で降りて、発車の情景を撮影し見送るということも可能でした。これをやると終点に着くときの「客車オルゴール」が聞けなくなりますけどね^^;

さて終着水上に着いたら迷わず対向ホームへ。機関車の解結作業と留置線へ引き上げていくD51498を見守りました。


機関車が引き上げていったら、改札を抜けて湯檜曽方面へ。
なんとかターンテーブルに乗っているところに間に合いました。

方向転換後は作業線(?)へ。

給水をしたり、石炭を慣らしたり、帰路に備えて各部の入念な点検、火室の石炭の燃えカスの処理…蒸機を運行するのは本当に大変ですね。実現してくれているJRには感謝です。またこれらの作業を、庫内ではなく見学できる場所で行ってくれているのもサービスの一環でしょう。


給水、整備、点検を行ってしばしの休憩。秋の上越国境の入り口に佇むD51498です。全検を終えたばかりの綺麗さはすばらしく、その上、ランボードさえ塗っていないという無駄な装飾が一切ないのも好感が持てます。空前絶後の同一形式で1000輌以上という機関車の代表的なスタイルをなるべくオリジナルに忠実に保っていてくれて、傑作機の機能美のようなものを伝えてくれています。





さて、下りで到着してから約3時間。いよいよ帰路で高崎に向かう時間になります。点検整備を行った湯檜曽方面留置線から駅構内へ進入。1番線を通って、ホームで待つ12系の高崎寄り先頭に向かいます。


上野行きの12系にしっかり連結されると、D51498はいよいよ高崎に向かって出発です。

沼田で若干の停車時間。この先、渋川ではまた長時間停車でホームはごった返すことが予想されるため、まともな写真が撮れる最後のチャンスとばかりD51498の勇士を撮っておきました。

帰りの渋川も長時間停車。行きと同じように、こども達をキャブに乗せるサービスも行ってくれてました。ホームはご覧の通り記念撮影で賑やかです。

帰りの席は3号車。当然オハ12で、夏のEF58奥利根、この日の行きの下りと続いたスハフ12とは異なりディーゼルエンジンのない本来の客車の静かさを堪能しました。この色の12系と装飾のないSL。イベント列車になってしまうでしょうが一応国鉄でもあり得た組み合わせですね。

渋川に停車している間にだんだん日も傾いてきます。

力強い汽笛とともに渋川出発。速度は低いですが、決してゆっくりのんびりと感じさせないところが大型蒸機のなせる業。かつては長大な貨物列車をこのくらいのスピードで牽引し戦中戦後を駆け抜けてきたのでしょう。

高崎に到着した頃にはすっかり日も落ちていました。
なんとなくホームからこんな情景を。かつての夜行臨時急行っぽい雰囲気を狙ってみました^^;。

高崎からはもちろんロクイチ。単なる往復といえどもロイヤルエンジンの牽引列車に一日2回も乗れるなんて。

本庄では特急に抜かれるため、しばらく停まります。ロクイチ、夜走らせるのがもったいないですね。

オハ12の座席です。正に国鉄してますね。旧客の雰囲気ももちろん最高ですが、自分とっての本当にごく普通の国鉄といえばこの雰囲気です。(窓に映るものは怪しいものではありません^^;)

さてEF5861牽引、我らが奥利根号が大宮を発車する直前にPF牽引の貨物列車に抜かされたのですが、その後その列車とのデッドヒートが繰り広げられることになりました。抜きつ抜かれつを繰り返し、最後には特急旅客牽引機の意地でロクイチがPFの前に出ました。いやぁ速かった!さすが旅客牽引機です。

このPF貨物との抜きつ抜かれつの併走は、楽しかった(別に競争しているわけではないでしょうけど^^;)しかも最後に、PFの頭を抑え勝負がついた直後、下りの北斗星とすれ違い、EF58、EF65-1000、EF81という国鉄を代表する電気機関車が一瞬集まり、次の瞬間にはそれぞれの向かう方向へ散っていきました。

PFとのデッドヒート(?)の後、終着上野へ。EF58奥利根号のときとは異なり今回は朝出発したときと同様地平ホームへ。上野らしい行き止まりホームへロクイチが入っていきました。上野で到着を待っていたファン、乗客、その場に居合わせた野次馬(?)であっという間に人だかりが…。さすがロクイチです。

かつて電車特急がひっきりなしに行き来していた上野地平ホームとロクイチ。

やがて推進運転でホームから離れていきました。ロクイチ牽引の12系…また乗れる機会が来ることを願いながら静かにその姿を見送りました。

今回のEL&SL奥利根号も8月のEF58奥利根号と同様、要らぬ観光要素が無かったのが良かったです。SL牽引区間だとなにか演出じみたことがあるのかなと懸念(?)していましたが、放送からなにから、乗っている限りはまったくもって普通の臨時快速列車。ロクイチとD51498牽引列車をこんな気負いのないごく普通の「国鉄」列車の雰囲気の中楽しめたことは貴重でした。

同日、DD53ばんえつ号が運転されていたので鉄オタ度が低かったのも幸いだったのかもしれません。乗客は、SLお目当ての家族連れが中心で、蒸機区間はほぼ満席のようでしたがロクイチ牽引の上野高崎間は、上り下りとも席に余裕が見られすいていました。こんな貴重な電機が引く列車にこんなにゆったりした気持ちで乗れてよいのか?と思うぐらい。ちょっと贅沢な気になりました。


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